2001年5月31日午前9:30、香港セントラルにあるHong
Kong Stock Exchange(HKSE) はいつもと違う熱気に包まれていた。
おびただしい数の報道陣の見つめる先には、シルバーグレーのスーツに身を包んだTKがその瞬間を静かに待っていた。HKSEの中央にある電光掲示板には「歓迎ROJAM
ENTERTAINMENT HOLDINGS LIMITED」の文字が。この日、ROJAMが香港の新興企業向け市場『グロース・エンタープライズ・マーケット(GEM)』に上場、午前10:00から始まる取引を前にTKがその記念すべきセレモニーでスピーチを披露したのだった。
「この様な機会を与えていただきありがとうございます。そしてみなさんの暖かいご支援に心から感謝します。ROJAMの使命はアジアの国々に質の高い音楽コンテンツを提供していくことです」と英語で挨拶した後、シャンペンで乾杯。TKにとっても感無量の瞬間だったに違いない。
「ROJAM上場」のニュースは、GEMに日系企業が上場するのは初めてということもありエンターテインメント関係はもちろんの事、金融関係のメディアからの注目も高かった。この日、地元の金融関係のTV番組に出演したTKは「何か投資はしていますか?」という質問に対し、「趣味(=音楽)が仕事なので、音楽制作をする環境に投資は惜しみませんね」と答え、音楽家であり、同時にROJAMのチェアマンでもある一面をのぞかせた。
また、秋に誕生予定の子供に対する質問では、「親御さん」という言葉に照れつつも「生まれながらにプレッシャーを持っていると思うので、これ以上『投資』したらかわいそう。ゆとりのある子育てをしたい」と、親心を語った。
その後香港ROJAM本社にて、投資家を招待して行われたカクテルパーティーには、終始和やかな笑顔のTKが。ハードスケジュールにもかかわらず一人ひとりに丁寧に挨拶し、話に耳を傾けるTKに、その日初めて会った人もきっとその人柄に魅了されたことだろう。